向こうから男が歩いてくる。
俺「………」
相手「………」
相手も、自分も、お互いを認識する。
その年齢、その雰囲気、その挙動。
段々と、段々と、お互いが近くなり、そして……
すれ違う時にそれは起きた。
相手「……エフンエフンッ!」
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どうもこんにちは、あるいはこんばんは。
どんどこです。
冒頭の出来事、理解できますでしょうか。
咳ではなく、鼻をズズッとすすって行う場合もあります。
これ、多分男の人なら理解できるっていうか、常日頃、男社会で行われている決闘の様子なんです。
ええ、ええ。
もしかしたらいるかもしれない、このへんてこなブログの希少な女性読者のあなた。
きっとこう思ったでしょう。
「意味が分からない」
と。
簡単に説明しましょう。
……と、その前に。
今回は奇行のお話ではありますが、奇妙な思考のお話でもあります。
なので、正しくは奇行奇思考列伝ですが、面倒なので、変な思考も奇行列伝にぶち込んでおくことにします。
今後、今回紹介するような、変わった考えの記事を書くことがあるかもしれませんが、それも奇行列伝にカテゴリすることにいたします。
それでは、今回のこの謎行動の説明を致しましょう。
男のしょうもない争い
さて、女性諸君はともかく、男性諸君は冒頭のそれが何なのかお分かりだと思います。
分かり過ぎて「うんうん、俺もよく負けるんだよな…」と腕を組んで頷いていたり、「ハハッww管理人よっわw」と私を馬鹿にしていたりすることでしょう。
まぁ、もしかしたら、男性であっても、女性に近い社会を生きている男性は、今もそこかしこで行われているこの謎のバトルについて疎いかもしれません。
なので、丁寧に説明いたします。
男という生き物はですね、向こうから同性が歩いてきたら、すれ違いざまに
軽い咳をする
もしくは、
鼻をすする
という奇行をいたします。
そして、相手が小さい音で返したり、何も返さなかったりしたら、自分の勝ちになる、そんな刹那的な決闘を、見ず知らずのすれ違う同性相手に行っているのです。
意味わかりませんよね?
僕も、意味が分かりません。
意味が分かりませんが、誰が考えたのか、いつ意識するようになったのか、あるいはこれは、大人の男に備わる本能なのか、なんか、そういう決闘がすれ違いざまに毎回行われてるんです。
ですが、僕もですね、これが一体どういうことなのか、深く考えたことがあります。
ですので、この、男性……いえ、少なくともほとんどの日本人男性が行っている謎の奇行について、私の考えを述べたいと思います。
筆者の見解
同性とのすれ違いざま、咳をしたり、鼻をすすったりするその意味。
これは、個人的に「威嚇」ではないかと思っております。
動物って、相手に吠え叫び、威嚇して自分の強さを誇示しますよね?
それの人間バージョンがコレだと思うのです。
男ってですね、同性と比べて自分の方がツヨインダ!って優位に立ちたがり、見下したがりな生き物なんですよ。
もちろん、平和主義者で、そういうのイヤッ!って男もいます。
実際、昔の自分はそうだったんですが、社会のいろいろに巻き込まれて疲弊したあたりからか、なんかそういうのが芽生えてきて。
いつの間にか、この奇行を行う一人になってまして。
で、どんなことでもいい、どこか一つでも相手に勝ち、見下し、馬鹿にし、「はい、俺の勝ち」って思いたい。
「誰かのどこかの部分では少なくとも自分の方が上だ」と、あるいは、「俺はどんな部分であっても他人には負けんぞ」と、そんな意固地によって生まれたのが、このすれ違いざまの威嚇だと思うんです。
現代は昔と違って、武器を使ったガチの決闘なんてものはありませんし、やったら犯罪になります。
だから、相手に力を示す、という機会はない。
強いて言うならば、社会的立場や、会社での役職云々がありますが、そんなんじゃなくて、もっとこう、身体と身体のぶつかり合い……生物的な何かによる勝負での優劣をつけたい。
そうした、本能から生まれたのが、この、自分の口や鼻といった身体の部位から発せられる音による勝負。
すれ違いざま威嚇勝負なのです。
ただですね、このすれ違いざま威嚇勝負、実は誰彼構わず行っているわけではなくてですね……
すれ違いざま威嚇勝負を仕掛ける相手
世の男どもは、この勝負を仕掛ける相手は選別しています。
じゃあ、どんな相手に仕掛けて、どんな相手に仕掛けないのか……。
それはズバリ、
気の弱そうな相手に仕掛け
気の強そうな相手に仕掛けない
のです。
例えばですね、向こうからこいつが来たとします。
咳、しません。
鼻、すすりません。
すれ違いざまに咳をする、鼻をすするなどという愚行はしません。殺されてしまいます。
だって、強そうなんですから。オーラがヤヴァイですから。
触らぬ神に祟りなしです。
ですが、こいつが来たとします。
咳、します。
鼻、すすります。
なんか弱弱しいし、自分でも勝てちゃうかもw?とか思っちゃいそうです。
これは勝つる。勝つるぞ!
……ということで、つまりは、相手を見て、頭の中で相手と自分が肉弾勝負して、勝てそうな相手にすれ違いざま威嚇勝負をしかけるんです。
逆に、肉弾勝負して負けそうな相手にはしないのです。
では自分と同じぐらいの相手の場合どうするのか?
その時は2パターン考えられます。
お互い威嚇を仕掛けるか
あるいは、
お互い威嚇を仕掛けないか
です。
とりあえず、勝ち星増やしたい、男界隈戦闘力ランキングを少しでも上に挙げたいという貪欲な輩は、とりあえず威嚇を仕掛けますし、仕掛けられたらこっちも答えるけど?な人はそれに応じる感じです。
ところで、こうは思わないですか?
馬鹿じゃないの?
思います。
凄い思います。
正直、僕は、好戦的な方じゃないので自分から仕掛けることは全然ないし、仕掛けられても基本的に無視している感じです。
ですが……
このすれ違いざま威嚇勝負はその一端にすぎないのですが、なんか、男って、こういうところで、相手を舐める、自分が舐められている、っていう、精神的な上下関係みたいなの築くところあるんですよ。
なので、ストレス溜まってるときは別です。
イッライラしてんのに、自分の人となりなんも知らんやからがそんな決闘仕掛けてきたらムキッ!ってなって、すっげぇわざとらしい咳やブーッ!って感じの力入の入った話すすりをお見舞いしたりします。
最後に
もし、このすれ違いざま威嚇勝負というのを存じていなかった皆様方。
女性の方は彼氏もしくは旦那さん、まだこの世界を知らなかった男どもは、自分とすれ違う野郎どもや、同性の友人を観察してみてください。
マジでやってます。
本当にやってます。
ほんまにやってます。
こればかりは、自分の精神疾患のせいではなく、被害妄想でもないと思います。
本当、男はこういう、しょーもないことを、日々あちらこちらでやってるんで。
以上、今回の奇行列伝でした。
あ、奇妙な思考列伝でもあります。
つか、世の男どもの思考がこうで、それがスタンダードになっちゃってるから、ある意味奇妙な思考でもないのかもしれない。
暗黙の了解、常識というものは奇行とは言いませんし、これもそうなのかも……。
……男って生き辛い。